昨今の日本では、リサイクルに関する意識がとても高くなっており、不用になったものを捨てるのではなく引き取ってもらうことが増えているんですよ。
このような状況から、不用品回収業を開業しようと考えている人も多くいるでしょう。とはいえ、開業しようとされている方の中には、
「不用品回収を行うために必要な資格ってあるの?」
「不用品回収の資格を取得しないとどうなるの?」
「不用品回収に必要な資格の取得方法を知りたい!」
など疑問や悩みを抱えているのではないでしょうか?
開業する上でどのような資格を取得するべきなのか、しっかり抑えた上でルールに沿って準備をしたいですよね。
具体的な取得方法がわかることで、開業までの計画も立てやすくなるでしょう。
そこで今回は、不用品回収に必要な資格から取得方法まで紹介!資格を取得しないことによる罰則についてもくわしく解説します。
この記事を読めば、不用品回収業を行う上で必要な資格から取得方法まで理解でき、開業までの計画を立てやすくなりますよ。
それでは参ります。
不用品回収に必要な資格とは?
さっそく、不用品回収業者に必要な資格について見ていきましょう。不用品回収業に必要な資格は以下の3つです。
「不用品回収業を開業したい!」って人はしっかり上記3つの資格を抑えておきましょう。それぞれの資格について以下で解説していきますね。
一般廃棄物収集運搬業の許可
一般廃棄物収集運搬業の許可は一般家庭から出た廃棄物を収集・運搬するために必要な資格になります。家庭から出た廃棄物を収集・運搬するための資格になるので、回収したものをリサイクル・リユースすることはできません。
一般廃棄物収集運搬業の許可は市町村の管理下にあり、新規で一般廃棄物収集運搬業者を募集していない限りは取得することが難しい資格でしょう。
法律律に関する詳しいことは以下の環境省のサイトを参考にしてくさいね。
産業廃棄物収集運搬業の許可
産業廃棄物収集運搬業の許可は法人などから出る産業廃棄物を回収するために必要な資格になります。
産業廃棄物とは、事業活動に伴って出た廃棄物のことで20種類の廃棄物のことを指します。一部抜粋ではありますが、代表的な産業廃棄物は以下のとおりです。
- 燃え殻
- ゴミくず
- 廃油
- がれき類
- コンクリート固形物
また家電販売店などから委託を受ければエアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの家電リサイクル法に指定される4品目の回収ができるようになりますよ。
産業廃棄物収集運搬業の許可は都道府県の管理下にあり、講習の参加と必要書類を提出すれば許可が下りるので取得しやすい資格でしょう。
法律律に関する詳しいことは以下の環境省のサイトを参考にしてくさいね。
古物商の許可
古物商の許可は回収した不用品を売ったり、リサイクル品として買取するために必要にな資格になります。不用品をリユース・リサイクルする目的で有価物として買い取り、リサイクル業を営業するために必ず必要になる資格です。
古物商の許可は都道府県の警視庁が発行しており、必要な書類の提出と許可審査料19,000円を支払えば許可が下りるので取得しやすい資格でしょう。
不用品回収の資格を取得しないとどうなる?
不用品回収業に必要な資格は理解できましたか?これから開業をしようと考えている方は、必要な資格をしっかり取得してから開業してくださいね。
しかし読者の方の中には「資格を持ってなくても、営業している業者もいるって聞くけど大丈夫なのかな?」と疑問を抱いている人もいるはず。
結論、1つも資格を取得しないで営業している業者は違法業者になるため厳しい罰則を受けるでしょう。不用品回収に必要な資格を取得しないで営業した場合は、以下のような罰則を受けます。
それぞれの罰則規定について以下でくわしく解説していきますね。
古物営業法の罰則規定
古物商の資格を持たずに営業した場合は、3年以下の懲役または100万以下の罰金を受けることになります。また古物商の資格を取得していても、古物営業法の罰則規定に反する行為を行ってしまうと罰則を受けてしまうので気をつけましょう。
違法行為に関する罰則を以下の表にわかりやすくまとめたので参考にしてください。
違法行為 | 罰則 |
---|---|
・法定場所外営業 | 1年以下の懲役または50万以下の罰金 |
・取引相手を確認しない ・古物台帳に取引内容を記録しない ・古物台帳を保管していない | 6ヶ月以下の懲役または30万以下の罰金 |
・許可証の不携帯 ・HPに許可番号等の表示をしない | 10万円以下の罰金 |
古物商の資格を取得しているからといって、安心するのではなくしっかりと規定に乗っ取り営業しましょう。
廃棄物処理法の罰則規定
一般廃棄物収集運搬業の許可、産業廃棄物収集運搬業の資格を持たずの営業や、許可の不正取得をした場合は5年以下の懲役もしくは1,000万以下の罰金またはその両方を受けることになります。
また一般廃棄物収集運搬業の許可や産業廃棄物収集運搬業の資格を取得していても、廃棄物処理法の罰則規定に反する行為を行ってしまうと罰則を受けてしまうので気をつけましょう。
違法行為に関する罰則を以下の表にわかりやすくまとめたので参考にしてください。
違法行為 | 罰則 |
---|---|
・事業範囲の無許可変更 ・不法投棄 ・事業停止命令に従わない | 5年以下の懲役もしくは1,000万以下の罰金またはその両方 |
・不法投棄を目的にした廃棄物の収集運搬を行う | 3年以下の懲役もしくは300万以下の罰金またはその両方 |
・有機物の中に廃棄物を混ぜ輸出する「無確認輸出」を行う | 2年以下の懲役もしくは200万以下の罰金またはその両方 |
・マニフェストを交付しない、虚偽の記載をする | 1年以下の懲役または50万以下の罰金 |
・欠格要件に該当しても届出をしない ・受託した廃棄物の処理が困難になった場合に通知をしない、もしくは虚偽の通知をする | 6ヶ月以下の懲役または50万以下の罰金 |
一般廃棄物収集運搬業の許可や産業廃棄物収集運搬業の資の資格を取得しているからといって、安心するのではなくしっかりと規定に乗っ取り営業しましょう。
不用品回収に必要な資格の取得方法
無許可営業することのデメリットは理解できたでしょうか?「安心、安全に開業したい!」と思われる方のために、不用品回収に必要な資格の取得方法について紹介していきますね。
それぞれの取得方法に関して解説していくので、あなたが取得したい資格をしっかり抑えてくださいね。
一般廃棄物収集運搬業の許可の取得方法
一般廃棄物収集運搬業の許可を取得するには、市町村から許可を受ける必要があります。とはいえ、新規で一般廃棄物収集運搬業を募集している市町村は少ないため、取得るするのは難しいでしょう。
市町村での募集がある場合は、市町村の環境関係部署の窓口から受付をして対応してもらえます。
しかし、新規募集があっても欠格要件に当てはまる人は資格の取得はできないので注意しましょう。一部抜粋ではありますが、紹介しますね。
- 精神障害があり判断力のない物または、自己破産をしたまま復権していない者
- 禁固刑以上の前科があり、服役を終えてから5年未満の者
- 廃棄物処理法をはじめとする関連法令に基づく処分を受けてから5年未満の者、または暴力団対策法に基づく処分を受けてから5年未満の者
参照元:廃棄物の処理及び清掃に関する法律
上記の他にも10項目設けられていますが、該当してしまう場合は資格の許可が降りないので、心当たりがある人は事前に確認しましょう。
必要書類
一般廃棄物収集運搬業の許可を申請するために必要な書類を把握しておきましょう。申請者が個人なのか法人なのかで必要書類も変わるため注意してくださいね。
まずは個人に必要な書類を8種類紹介します。
- 許可申請者
- 事業計画書
- 事業所、事業に使う施設などの図面、説明書類など
- 車両の写真、車検証、使用権限証明証
- 一般廃棄物の処理を的確に行うための知識・技術的能力の証明証
- 誓約書
- 住民票
- 納税証明書
法人で申請する場合は上記8種類に加えて以下3種類の書類が必要です。
- 役員名簿
- 定款、履歴事項全部証明書
- 過去の年度の貸借対照表、損益計算書
一般廃棄物収集運搬業の許可を申請する上では、上記の必要書類を準備して申請するようにしましょう。
申請費用
一般廃棄物収集運搬業の許可を申請するのは、市町村の環境局です。申請手数料は1万円になります。
産業廃棄物収集運搬業の許可の取得方法
産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するには、都道府県から許可を受ける必要があります。積み込み先と持っていく処分場が都道府県をまたがる場合は、それぞれの知事から許可を得なければいけないので注意しましょう。
産業廃棄物収集運搬業の許可の申請に満たすべき要件は以下の4つです。
- 欠格要件に該当しない
- 指定講習を受けている
- 経理的基礎がある
- 運搬に必要な車両、容器、駐車場がある
上記4つの条件を満たしており、必要書類の提出と申請費用を払えば許可が下りるので、一般廃棄物収集運搬業の許可に比べて取得しやすいですね。
しかし、一般廃棄物収集運搬業の許可同様に欠格要件に当てはまる人は資格の取得はできないので注意しましょう。
必要書類
産業廃棄物収集運搬業の許可を申請するために必要な書類を把握しておきましょう。申請者が個人なのか法人なのかで必要書類も変わるため注意してくださいね。
まずは個人に必要な書類を16種類紹介します。
- 許可申請書
- 指定講習会修了証の写し
- 住民票
- 登記されていないことの証明書
- 事業の全体計画
- 運搬施設の概要
- 収集運搬業務の具体的な計画
- 環境保全措置の概要
- 運搬車両の写真
- 車検証の写し
- 本店、事務所、事業所、駐車場の地図
- 事業開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法を記載した書類
- 所得税の納税証明書(直近3年分)
- 確定申告書の写し(直近3年分)
- 資産に関する調書
- 誓約書(押印)
法人で申請する場合は上記16種類に加えて以下4種類の書類が必要です。
- 定款
- 履歴事項全部証明書
- 決算書
- 法人税の納税証明書(直近3年分)
産業廃棄物収集運搬業の許可を申請する上では、上記の必要書類を準備して申請するようにしましょう。
申請費用
産業廃棄物収集運搬業の許可に必要な手数料8,1000円です。必要書類を提出してから結果が出るまで約2ヶ月ほどかかるので、早めに申請するといいですよ。
古物商の許可の取得方法
古物商の許可を取得するには、各都道府県の公安委員会に申請します。しかし、実際に申請書を提出するのは営業する店舗の管轄警察署にある生活安全課です。
古物商の許可は申請さえすれば誰でも取得できる資格として有名ですが、一般廃棄物収集運搬業の許可同様に欠格要件に当てはまる人は資格の取得はできないので注意しましょう。
必要書類
古物商の許可を申請するために必要な書類を把握しておきましょう。申請者が個人なのか法人なのかで必要書類も変わるため注意してくださいね。
まずは個人に必要な書類を7種類紹介します。
- 略歴書
- 住民票の写し
- 誓約書
- 登記されていないことの証明書
- 身分証明書
- 営業所の賃貸借契約書のコピー(店舗が賃貸の場合)
- URL使用権限疎明資料(HPで古物売買する場合)
法人で申請する場合は上記7種類に加えて以下3種類の書類が必要です。
- 登記簿謄本
- 登記事項証明書、履歴事項全部証明書
- 定款のコピー
古物商の許可を申請する上では、上記の必要書類を準備して申請するようにしましょう。
申請費用
古物商の許可に必要な許可審査料は19,000円です。必要書類を提出してから結果が出るまで約1ヶ月〜2ヶ月ほどかかるので、早めに申請するといいですよ。
不用品回収の資格は古物商から取得しよう
ここまで読まれてきた方の中には、「不用品回収を始める上では、ぶっちゃけどの資格から取得すればいいの?」と思われた方もいるはず。
結論、不用品回収の資格は古物商の許可から取得しましょう。
不用品回収業は回収したものを売ることで、儲けを出さなければいけません。そのためには、回収した不用品をリユース・リサイクルするための古物商の許可が必須になります。
一般廃棄物収集運搬業や産業廃棄物収集運搬業の許可に比べて、許可も下りやすいのはもちろん申請費用も安く済むのでおすすです。
これから不用品回収業を開業される予定の方は、まず古物商の資格取得を目指してみましょう。
また、これから不用品回収業者を行う上で、回収業者の相場費用についても詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせて見てくださいね。
まとめ
今回は、不用品回収に必要な資格から取得方法、資格を取得しないことによる罰則について解説させていただきました。
不用品回収業を開業するために必要になる資格は以下の3つです。
- 一般廃棄物収集運搬業の許可
- 産業廃棄物収集運搬業
- 古物商の許可
それぞれの資格によって、できることも変わってくるのであなたの目的にあった資格を取得して不用品回収業を開業していきましょう。
今回の記事を参考にして、あなたの人生の助力になれれば幸いです。